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iFKR-ZIP測定時間の検証No.1


放射線計測は秤などの測定と違い真の値を求める事はほぼ不可能です。

秤の測定精度はほぼ装置で決まりますが放射線計測の場合は装置の性能以外にも検体の量、測定時間、バックグランド等で大きく変わります。

大切なのはゲルマで厳密に測定した線源との比較だと思います。

ゲルマニウム半導体検出器は分解能は高いですがCsI(TI)やNaI(TI)と比べて感度は悪いので微量の汚染を測定するには10時間は必要です。
それでは実際にゲルマニウム半導体検出器でどの程度の時間でCsが定量可能なのか調べてみました。

ゲルマニウム半導体検出器
穀類で検体量 2kgで10分だと40Bq/kg、30分だと24Bq/kg、1時間だと16Bq/kgとの記載が下記、農林水産省(6ページ)にありました。

http://hirukawamura.web.fc2.com/sokutei/nousui2.pdf


産総研のゲルマで厳密に測定した約19Bq/kgの玄米の線源を使ってiFKR-ZIPでどの程度の時間で定量が可能なのかテストしてみました。

iFKR-ZIPの必要な検体量は320gです。
iFKR-ZIPはCsI(TI)検出器で考えられるさまざまなノイズ対策を取っております。
農林水産省の5ページに書いてある『サンプル量が多いほど、定量下限は小さい値になる。』はiFKR-ZIPにはあてはまりません。

必ずしも検体量が多いと定量下限値が小さい値になるとは限りません。
サンプルを多くすると散乱線のバックグランドが増え検出下限が悪くなる事もあります。


まずは30分の測定


Cs-All/18.9Bq/kg
Cs-134/5.4Bq/kg
Cs-137/13.5Bq/kg


19bq.30m.9.8.1.jpg

そして20分の測定


Cs-All/22.3Bq/kg
Cs-134/7.3Bq/kg
Cs-137/15Bq/kg


19bq.20m.9.8..jpg

10分の測定


Cs-All/23.1Bq/kg
Cs-134/11.7Bq/kg
Cs-137/11.4Bq/kg


19bq.10m.9.8.jpg

測定回数を増やして詳しく検証する必要がありますが数値が大きくなる傾向がありそうです。
いずれにしてもセシウム総量でみれば30分の測定でかなりいけるのではないかと思います。

検体量が320gで30分の測定時間で20Bq/kg以下まで定量出来ればことセシウムの定量に関してはゲルマを超えるのではないかと思います。

測定器をご検討の方はコスト面、性能面を比較検討されて選んで頂きたいです。

詳しくは iFKR-ZIPをご欄下さい☆