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低ベクレルまで測定する事の重要性

人類史上最悪な福島原子力発電所事故から早くも3年9ヶ月経過しました。

国際原子力機関(IAEA)はチェルノブイリ事故から10年後の1996年4月の会議で『再び事故が起こるのは避けられない』だから『次回の原発事故にあたっては、人々を避難させず、情報をきちんと統制すること』と言う方針を発表、当然ながら政府もその方針に沿って動いており現状では『(情報統制のことだが)チェルノブイリは失敗したが、フクシマはうまく行った・・・』との認識のとうり99%の人が事故は既に終わった事のように思っている。
http://geiger.grupo.jp/blog/689974

このような現状の今、我々市民は数値で確認するしか方法がありません。
しかし厄介な事に放射能の測定はそう簡単ではない事は嫌と言うほど実感しました。
スクリーニング検査と精密検査を正しく使い分ける事が重要
でも書きましたが100Bq/kgでも毎回同じ数値は出ません。
少しでも真の値に近ずけるには地道に不確定要素をつぶしていくしかありません。

しかも放射能にこれ以下なら安全と言う閾値はありません。
食品検査ではセシウム(Cs-137、Cs-134)総量で出来る限り低い定量下限値に抑える必要があります。
現状の国内セシウム検査体制ではおおむね10Bq/kg下限値程度ではないかと推測致します。
それはもっとも国内に出回っているシンチレーション式測定器のNaI(Tl)などの限界値がその辺りだからです。
内部被ばくを出来る限り減らす事は大変重要であり、現状の検査体制を出来る限り迅速に大幅に見直す必要があると思います。
このセシウム10Bq/kgと言う数値では高過ぎる事は明白です。
せめて当初の目標としてその10分の1の1Bq/kg精度まで市民が測定出来る環境を出来る限り早く整える事はまったなしの課題だと考えます。

チェルノブイリ事故後の数値を参考にしても現状の食品の規制値がいかに高いかがわかります。
1986年4月26日、チェルノブイリ事故から5年間の1991年まで関東地区の穀類でCs-134、Cs-137で『環境放射線データベース』で検索しますと該当件数109件が出てきます。
*http://search.kankyo-hoshano.go.jp/servlet/search.top?pageSID=165655196

109件中、白米で一番高い数値でも1986/12/4 さいたま市桜区 Cs-137/0.1406Bq/kgと現状と比べまして格段に低い数値である事がわかります。

だからまず1Bq/kg以下まで正確に測定出来る体制を市民で作らねばならないと思います。
それには何度も言いましたがスペクトル表を公表して皆でクロスチェックする体制を作る事が大変重要です。

現在、出回っているNaI(Tl)やGe(Li)などすべての測定器は低ベクレルの体積線源で性能を確認する事が重要と考え、ゲルマを知り尽くしている第一種放射線取扱主任者の(株)シンメトリックス社の野中社長にお願いし5Bq/kgの性能確認用の試料を作ってもらいました。

性能確認用セシウム(Cs-137、Cs-134)標準試料
で是非、ご自身の測定器の確認をしてみて下さい☆


*参考までにこむぎ・玄麦は白米、玄米より高いです。

こむぎ・玄麦 1986/6/7 茨城県 Cs-134 /3.552Bq/kg
こむぎ・玄麦 1986/6/7 茨城県 Cs-137/6.586Bq/kg

こむぎ・玄麦 1986/6/16 埼玉県 Cs-134/4.114Bq/kg
こむぎ・玄麦 1986/6/16 埼玉県 Cs-137/7.585Bq/kg

こむぎ・玄麦 1986/6/11東京都 Cs-134/8.399Bq/kg
こむぎ・玄麦 1986/6/11東京都 Cs-137/15.096Bq/kg